保健師 eye’s 2021年3月
自分の心を守るヒント
行動が制限される生活でのメンタルヘルスケア
新型コロナウイルス感染症の拡大により、私たちの様々な生活が劇的に変化しています。自分や周りの大切な人が感染することへの不安や恐怖を感じたり、人との交流が制限されることによる孤独やさみしさを感じたり、イライラしたり怒る機会が増えるなどといった感情を持つ人が少なくありません。こうした気持ちは、身体にさまざまな症状(反応)をもたらします。
ストレスや不安を感じるときに見られる症状(反応)
・眠れない
- 朝早く起きてしまう・夜中に何度も目が覚める・寝つきが悪い
・食欲や体重の変化
- 食欲がない・食欲が急に増える・体重が減る・体重が増える
・何事にも悲観的になる
- 気持ちが落ち込む・何をするのもおっくう・笑うことがなくなる
・疲れやすい
等がみられます。
こころの健康を維持する方法
ストレスに対するこころの健康を保つためには、いくつかの方法があります。
① 体内時計を大切にする
- 外出自粛など家で過ごす時間が増えても、できる限り毎日決まった生活リズムで過ごしましょう。
- ・毎日同じ時間に起床、就寝するように心がける。
- ・カーテンを開け、日の光を浴びる(特に朝は太陽光を浴びることで体内時計が整います)。
- ・食事の時間、運動の時間などもできれば毎日同じ時間に行う。
② 人とつながりを持つ
- 人との交流は隔離された生活の中でも大切です。
- ・電話やメール、SNS を利用して友達や離れた家族ともコミュニケーションを取る。
- ・心配や不安があるときは一人で抱えこまずに、身近にいる信頼できる人に話す。
③ 正しい知識を手に入れる
- 社会が混乱しているときは、人の気持ちをかき乱す情報が出ることがあります。
- ・信頼できる発信元から、発信の時期を確認して情報を得る。
④ 好きなことをする時間を大切に
- 一人でできる趣味を見つけ、楽しみましょう。
- ・読書、料理、筋トレなど家の中で行えるものを探す。
- ・SNSを利用することで、いろいろな人と体験を共有する楽しみが見出せる。
不安や心の不調が改善されないとき
リラックスやストレス解消に努めても、「ストレスや不安を感じるときに見られる症状(反応)」が長引くときは、抱えている問題が大きいのか、もしくは問題に対処する力が低下している可能性があります。そのような時には、専門機関でのご相談をお勧めいたします。
《相談先・参考資料》
*新型コロナウイルス感染症による心の悩みについて相談したいとき
- ・厚労省HPコロナ特設ページ(メンタルヘルス相談)
SNSなどを利用した心の相談について等の情報をまとめています。
https://www.mhlw.go.jp/content/10900000/000643326.pdf
*こころの健康について相談したいとき
お住まいの地域の精神保健福祉センター等の相談窓口をご確認ください。
*参考資料:日本赤十字社「感染症流行期に心の健康を保つために」シリーズの紹介
http://www.jrc.or.jp/activity/saigai/news/200327_006138.html