高血圧症の方は目標値が変わり、より少ない塩分量になります。塩分の摂取量に気を付けて過ごしましょう。
保健師 eye’s 2021年1月
新年から始める
高血圧対策
できることから始める予防対策
厚生労働省が3年ごとに行っている患者調査(2017年調査)では、継続的な治療を受けている高血圧症の総患者数は、993万7,000人になります。高血圧症は自覚症状に乏しく、自分の血圧の状態を知らない潜在的な高血圧症の方も多くいるといわれています。
寒暖の差が大きくなり、塩分の多い食品を食べる機会が多くなる冬は、高血圧症の予防を心がける時期です。新年のはじめに、高血圧症の予防について考えてみましょう。
高血圧症とは
診察室での最大血圧が140mmHg以上、あるいは最小血圧が90mmHg以上の状態を高血圧症といいます。
日本人の高血圧症の多くは、遺伝的な要因や生活習慣などの環境因子が関与していると考えられています。
高血圧症予防の生活習慣
塩分の摂りすぎに注意しましょう
塩分を摂りすぎると、身体の中に水分がたまり、血流量が増え、血圧を上昇させます。
日本人の1日あたりの塩分摂取量の平均値は、男性で10.9g、女性では9.3gです。(厚生労働省「令和元年 国民健康・栄養調査結果の概要」より)
一方で、1日あたりの塩分摂取量の目標値は、男性7.5g未満、女性6.5g未満です。(厚生労働省「日本人の食事摂取基準 2020年版」より)
十分な睡眠と休養を取りましょう
毎日の仕事や家事によって疲労は溜まります。特にこの1年は、新型コロナウイルス感染症に常に気を配りながらの生活環境であったため、緊張や精神的ストレスが高まっている人も多い状況です。
これらを軽減するためにも、規則正しい生活を心がけましょう。
十分な睡眠は、疲れを取るだけではなく、身体の抵抗力を高めるためにも重要です。
毎日の仕事や家事によって疲労は溜まります。特にこの1年は、新型コロナウイルス感染症に常に気を配りながらの生活環境であったため、緊張や精神的ストレスが高まっている人も多い状況です。
これらを軽減するためにも、規則正しい生活を心がけましょう。
十分な睡眠は、疲れを取るだけではなく、身体の抵抗力を高めるためにも重要です。
肥満を改善しましょう
太りすぎは血圧をあげ、心臓にも負担をかけるばかりか、全身の動脈硬化を促進させることにもなります。健診結果を踏まえて、主治医の指導や特定保健指導の内容に沿って肥満の改善に取り組みましょう。
禁煙しましょう
タバコに含まれるニコチンは、血管を収縮させ、血圧を上昇させます。さらに動脈硬化が促進されることで、様々な心血管系の病態を引き起こします。喫煙者自身に影響が大きいだけではなく、副流煙やサードハンド・スモーク(残存受動喫煙:部屋の壁や喫煙者の服や髪の毛についた目に見えないガス状の有害物質の害)の形でも、多くの人の健康にも影響を与えています。
寒暖の差に気を付けましょう
暖かい所から急に寒い所に出ると、血管が収縮し、血圧が上がります。特にこの時期は上着やマフラーなどを利用して室内と室外の気温の差を少なくするように気を付けましょう。
居間と浴室、トイレなど室内でも温度差が少ないよう暖房や衣服にも工夫しましょう。